長崎大は、まだ治療法が確立されておらず、日本にないウイルスの病原体を扱うBSL4施設を坂本キャンパスに建築中だが、BSL4施設計画の差し止めを求める会(山田一俊代表、会員2269人)と個人原告3人は9月24日、長崎市と長崎大学に、施設が危険であるとして計画の中断と、これまで求める会が求めていたBSL4施設の図面などほとんどの資料をのり弁と言われる黒塗りで出していることに対し憲法の人格権や知る権利などで不開示部分を開示するように提訴した。
訴状によると、長崎大学は坂本キャンパスでBSL4施設を設置、運営する計画を進行させている。長崎市は公衆の生命、健康を保護する義務を放棄して長崎大学に計画に同意を与え、計画の推進に加担している。長崎大学の研究、実験、施設などからウイルスなどが漏れると、ただちに住民に感染し生命に直結する健康被害を生じるという点が特筆べき事項である。また症状が現れないうちに家族や知人にも感染させてしまい、他人の生命、また身体に危害を生じさせてしまう恐れまでがある。そうであるにかかわらず、長崎大、長崎市などは原告らに対し着工後においても、原告らが求める情報を開示しない。このため原告らは自身を防衛するための情報すら入手できない状況にある。住民には生存権、幸福追求権、人格権、知る権利があり、長崎大学のBSL4の計画は原告求める会の構成員の権利を侵害するものである。このように生命侵害に直結するような情報さえ開示されない状況において工事を進めることは付近住民の人権を侵害するものである。したがって基本計画を中断し、建設計画を続行しないように求める-などとしている。
これについて山田代表は「私たちはBSL4を住宅密集地の坂本キャンパスに造らないでほしいという一点を要求している」と話す。そして、住民たちの多くは「研究までするなとは言っていない。無人島などの人里離れたところで研究してほしい」と言うが、一部には「この計画は学術会議の提言書に書いているテロ対策も大きな目的で、実質長崎大学のBSL4のリーダーは日本でのバイオテロの専門家。テロに使うのはドローンであったり、兵器であったりする。長崎大学は、軍事研究はしないと言っているが、BSL4計画は長崎大学など9大学の共同で行うので、ここでは主にバイオ兵器の主な研究になる。日本では原子力兵器には拒否反応が強く、これからはバイオ兵器の研究が世界の潮流となるだろう。動物実験や遺伝子検査の内容も知らされておらず、この研究は人類にとって危険なものになる。」
「本当に病気の治療法だけに特化するなら、長崎大はケニアに拠点を持っているので、これら病原体のある近くのケニアで研究すべき。本当に治療法だけと言っても、それは研究者が坂本キャンパスに通勤しやすいだけでこれは受け入れがたい」などと指摘する人もいる。
(求める会は、会費制ではなく一般市民の寄付やカンパで賄っており、今後の裁判継続のための費用として、寄付、カンパを受け付けています。)
(文責・個人原告 池田文夫)
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