2019年1月28日月曜日

≪BSL4施設着工解説≫ 着工を強行し、合意でなく理解を求めると言う長崎大学 施設ができたら事故が起き平和的生存権の侵害と言う周辺住民


長崎大が計画しているBSL4施設が起工式が26日行われ
28日から事実上、建設工事が始まった。BSL4施設が建設される坂本キャンパス周辺住民は「日本学術会議の提言には事前に(建設する前)住民の合意と理解、信頼が必要」と書いてあり、BSL4施設計画の差し止めを求める会ら周辺住民は、この提言やWHOや日本建築学会のガイドラインや指針で「住宅地は避ける」とあるのを反対の論拠としている。
 また求める会や個人原告4人はBSL4施設のすべての情報開示を求めて長崎地裁に提訴して係争中だ。大学がすべての情報開示を拒否して、裁判で却下を求めている。また今月には個人原告2人が建設計画の差し止めを求めて仮処分を長崎地裁に申し立てした。
 いやしくも国立大学が施設建設で住民から訴えられるのは前代未聞だが、大学は住民の合意なく起工式を行い着工を強行した。これに反対住民と話し合いをするという姿勢が見られない。私はこれを民主主義無視とみる。
 一つ例を挙げる。長崎大に留学生の一人は「長崎新幹線は何で早く着工しないか分らない。中国では今各地で新幹線を造っているが、決まったら早く造る」という。つまり中国での一党独裁の国では決めたこと(国策)は反対が出ようとも(まず出ない)早く造る。だが日本では例え国策であっても住民の話を聞いて合意を得てから造る。このため原子力発電などの建設では、住民の合意を得るためにカネが飛ぶことも少なくない。市町村でもごみ処理場などの迷惑施設を造る際には、ほとんど反対運動が起きるが、市町村はゴミを燃やす燃料を活用してプールや風呂などを住民のために造り、また処理場の周囲には住民のための公園などを造って住民の合意を得ることが通常だ。私が言いたいのは日本式の民主主義には時間がかかるのだ。
 だが大学が設けたBSL4の地域連絡協議会の公募委員に私はなっており、長崎県や長崎市から来た委員に「自治体に国策であるのには絶対に見返りがあるはず。県や市がBSL4に合意した見返りは何か。」と質問しても、県や市は「見返りはない」と繰り返すが私は長崎新幹線の地元負担などの見返りがあるとにらんでいる。知事が長崎市長が官房長官に呼び出されて「BSL4は国策」と言われ、これに合意した理由が新幹線などの見返りがなければりか分らない。しかし長崎大は民主主義を無視して時間をかけずに着工した。
 そして一番、大切なことは、大学は建設しながら理解を得るといい、起工式の河野茂学長の挨拶でも「地域住民と話し合いをして理解を得る」と言った。これほど世界の人の交流で感染症がいつに日本にやって来るかかもしれないので、治療法の確立は急務と強調する。ここでは絶対に住民の「合意」とは大学も県市も言わず、理解にとどめる卑怯さを見せる。合意を得る自信がないことがうかがえる。
 そして坂本キャンパスでエボラウイルスなどが輸入されると、世界にエボラ患者がいないのに、坂本キャンパスには動物実験されてネズミやサルなどのエボラに汚染されは動物がいるしこの遺伝子組み換えをする。そうするとエボラウイルスは治療薬への抵抗力ができますます強いウイルスが存在することになる。そうなると治療薬もワクチンもまた開発の繰り返しだ。感染症とはそういう病気と言う理解をする。
 BSL4施設がある東京・武蔵村山の国立感染研では施設が出来て35年間稼働がされずにいた。今、表面的には稼働はしているが、疑わしい患者が出た時の検査だけだ。実質稼働できずにおり、昨年、厚労省はエボラウイルスの輸入を武蔵村山に打診したが、ここの地域連絡協議会で拒否された。長崎大は予定どうりに2021年7月の完成とその後の順次稼働を目指す。一方、反対住民も裁判運動などをしたり、反対運動はおさまらないだろう。裁判と並行して、施設は完成しても武蔵村山と同じく、施設は完成しても稼働させない運動に徐々に移るだろう。
 

 焦点は裁判の動き(住民が勝てば稼働できない)と大学が本格稼働のためにエボラウイルスを輸入すると、地域連絡協議会に出す時だ。この住民運動は武蔵村山の反対運動の連携や石木ダムなどの市民運動とどのように市民運動を連携できるかにかかっている。これまで明治初期のキリシタン弾圧と長崎原爆で、坂本キャンパスを含む浦上地区は国策で2度無人で荒廃した経験がある。多くの住民は、エボラの施設ができたら3度国策で荒廃すると危惧し、枕を高くして眠れない、平和的生存権の侵害と訴える。この先の大学、反対住民とも針路は不透明だ
(池田文夫)

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